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今日は、ムヒョの誕生日・・・・。
ぼくは今日をどれほど長い時間待っただろうか? 毎日毎日、誕生日プレゼントを何にしようか?とか、やっぱ、ケーキは必要だよね。
とか、夕食は豪勢がいいよね。とか考えながら、だだでさえ苦しい生活なのに
経費を切り詰めて、この日に懸けていた。
なぜ、そこまでするのかって??
――― そりゃぁ、決まっている・・・。ムヒョの笑顔が見たいから・・・・??
ムヒョに喜んでほしいから・・・??ムヒョに「ありがとう」と言われたいから??
――― うんうん・・・全部違うと思う・・・・。
やっぱ、ムヒョが好きだから・・・・。ムヒョのためだから・・・・。
ムヒョの笑顔とか、喜びとか、ありがとうの言葉は、望んでいないといったら、嘘になるかも
しれないけど、言われたらおまけみたいな、得した気分になるだけ・・・そんなことは、
めったにないので望みは低い ―――。
今日はナナちゃんたちも6:00には来る予定だし、ヨイチさんもいつ来るかは、
わからないけど駆けつけてくれる予定だ・・・。 ビコさんは仕事がかたずいたら、よってくれる。 今日はとてもにぎやかになりそうで忙しい一日だなっとぼくはそう思いひそかに笑った・・・・。
ムヒョはまだ夢の中でいる・・・。自分の誕生日なんか気にしない人なので、忘れているのだろう。
僕はムヒョの誕生日パーティの飾り付けをしながら主役のムヒョを起こさないようにパーティの
準備を進めた。
そうじは念入りにし、洗濯物は早く終わりにしてしまおうと大急ぎで家事をこなしている。
っとそのとき、ロージーの騒音に目がさめたムヒョが起きてきて、飾り付けの終えてあってある
居間のほうにあしを進めていた。ロージーはあわててムヒョのほうへ駆け寄る ――――――。
僕は居間の飾りをムヒョに見られまいとして精一杯、手を広げて隠そうとした。
「おいっ何だ?騒々しいナ・・・・」
「あっムヒョ、起きたんだね・・・」
「ああ、腹減ったから、なんかねェのか?」
「あっもうそんな時間??まっててね~ムヒョ、今から作るよ」
僕はいたっていつもどうりに・・・・普通に振舞ったと思う。
「早くしてくれよ、死にそうだからナ」
ムヒョが僕の体の壁を通り抜けようとした!!
「待ってよムヒョ、居間は掃除中だから汚いから、そうそう、寝室にお昼を持ってくよ」
僕はあわててムヒョを引き止めた。
「そうなのか、まぁ仕方ねェナ。ヒッヒッ」
僕も作り笑いをして、ムヒョをどうにか塞き止めた。
きづいちゃったかなぁ~と思ったけど、そんなことは気に留めず、
ムヒョのごはんを作るのに取り掛かった。 ムヒョのご飯を作り終え、寝室に向かいムヒョにごはんを与えて、僕は自分の仕事の続きを始めた。
飾りつけもなんとか出来上がり、そうじも完璧にしたのでフローリングは新居のようであった。
ムヒョの食べ終わった皿も洗い、植木鉢にもいつも以上に水をやり、あとは、夕飯の準備である。
ムヒョはお昼を食べ終わるとすぐまた夢の中へと旅立つ。
今日は君が主役なのにね。とつぶやきながらムヒョが寝たのを確認すると、真っ先に買い物袋と
財布を持って買い物に出かける。
パーティが始まるまであと4時間を切った。
ロージーは買い物ついでにケーキ屋に寄るつもりらしく、ケーキの引き買い券を手にしている。
ムヒョが精々寝ていられる時間が3時間だろう・・・・そしてまた起きてくる。
その間に買い物を終わらせ、ケーキを買ってパーティの支度をしながら、ムヒョが居間に来ないか、
見張るのである。
1時間で買い物を終わらせたロージーはケーキを持って帰宅した。
相変わらず、ムヒョは愛くるしい寝顔をしながら、スースーという寝息を立てて眠っていた。
何の夢を見ているのだろう・・・・。
相当寝ているので見る夢もだんだんなくなってきているのではないかと思うくらい・・・・。
でも、そんなムヒョの見る夢の中に僕が出てきたらいいなぁ~。
ほんの一瞬だけでもいい・・・僕を君の夢に出させて・・・・。
ロージーは顔が赤くなっていた。涙も少しこぼれた。
「さぁ、やりますか!!」
そういうと、ロージーは豪勢な夕食をつくるためにキッチンに立った。
なんといっても客人が多い・・・・・。ナナちゃん、けんじ、ヨイチさん、ビコさん・・・・・・。
それに、自分と今日主役のムヒョだ。計6人。
六人家族分かよと思うかもしれないが、食べ盛りばかりいるのだ。
あまるくらい作らないと、足りないのだ。
大急ぎで、からあげやフライポテトやグラタンやサラダなどをつくり、
時計を見るとあと30分だった。 「あと30分かぁ・・・」
とても楽しみにしていた時間。
前から計画していた時間。
たのしい時間。
大切な時間。
――――――――が、もうすぐやってくる・・・・・。
でも、そんな時間は長くは続かない。
楽しいときこそ時間の経つのは早い。
待っていた時間よりも早い。
―――――――――光陰矢のごとし。
待っている時間とたのしい時間が比例すればいいのに・・・・。
でもやっぱり反比例なんだよね・・・・・。
こんなに時間が早いとムヒョと別れるのが早まっちゃうっ!!
時間よ、止まれ。止まって!!止まってください。
何でもします。だからムヒョとの時間をたくさん創って・・・・!!
ムヒョとの別れを先伸ばして・・・。別れたくない!!
別れたくないよぉ~~~。ムヒョ・・・好きだよ。
言えないけど、わかってもらいたいけど・・・大好きです。
こんな僕でごめんね。
ムヒョとはまったくの正反対の性格で・・・。
いろいろ喧嘩もしたけど、いろいろ楽しかったなぁ~・・・・。
正反対だから自分には持ってないものを持ってるムヒョに憧れて、
それがだんだん時間を重ねるにつれ『好き』という感情が生まれてきたんだね・・・。 ―――――――― 時間って大切だね。
時間が本当の自分の気持ちを気づかせてくれる。
時間が偶然をつくる。
時間が思い出を作る。
時間が未来を導く。
時間が--------------------------------------------------。
そのとき誰かが僕を呼んだ気がした。
「おいっロージー」
「おいっ起きろ」
「ったく・・・」
「おいっもう、朝だぞっ飯っ飯っ、腹へって死にそうだ」
ムヒョの声だ・・・・。ん?朝っていった???飯?・・・・・・・・。
-------------------------!!!!
「おっおはよう、ムヒョ!!」
ロージーは目を丸くして自分が今いる状況を把握しようとした。
「おめェ、きのう何したか覚えてるか??」
・・・昨日のことなんて覚えてない!!
えっ!!もしかして・・・・お酒飲んでドンチャン騒ぎしてなんかやらかした??
お酒??お酒なんか買わなかったけどなぁ・・・。
ヨイチさん当たりが持ってきたのかもしれない・・・。 「おいっおめェ、覚えてないのか・・・??」
「うん・・・まったく・・・。何かしたの?僕・・・・」
「じゃあしょうがねェよナ。ヒヒ・・・」
僕は眉をひそめた。
「おめェ、がんばっていたみてェじゃねェか!!」
「は??」
僕はさっぱり何がなんだかわからなかった。
暗いトンネルを走ってるみたい。
まったく先が見えなかった。
「昨日、俺の誕生日を祝うために朝から、何も食べずに準備してたろ?」
「うっ・・・うん」
YES、NOの受け答えしか出来なかった。
「で、お前は俺をおどろかすために・・・・」
「そう・・・」
「フンッ 俺が驚くとでも―――??」
「えっ・・・驚かなかったの??」
「あぁ」
「俺は前から知っていた。なんかおまえソワソワしてたからナ」
「知ってて黙ってたの??」
「ひどいよ・・・ムヒョ・・・・」
「でもそのほうが楽しかったろ??」
「・・・・・・・」
僕は思い返した。楽しかったのかな??でも結構笑っていたかも!!
まるで、修学旅行の計画を立てているような気持ちで・・・・・。
計画するのは楽しい。いざ、旅行となるとなんか楽しさがなくなる。
計画して、計画の楽しさに浸りたいからっその計画を実行しないという人も中にはいるだろう・・・・。
―――――――― 結論は出た。
「楽しかった・・・」
なんかムヒョに見透かされているようで嫌だった。
「こんな俺でも驚いたことがあった・・・」
「へ??何??」
僕は思いもよらない言動に戸惑った。
「おめェさぁ、飯作って、ソファーで寝てるなよナ」
「えっ??寝ちゃったの??」
「おめェ、ベットに運ぶの大変だったたんだゾ」
「まぁ、ナナたちが手伝ってくれたから出来たけどヨー」
「ナナちゃんたちが・・・・」
「おめェ、途中で寝ながら泣き出したからヨー、ナナから説教!!でも聞いてなかったけどナ」
-------------------------------ムヒョが昨日のいきさつを教えてくれた。
それから、ナナちゃんたちは僕がつくった夕飯を食べているときにヨイチさんが来て、
冷蔵庫から僕が買って来たケーキ食べているときにビコさんが来て・・・・
ムヒョの誕生日を祝ったらしい・・・・。
-------------------------------とても楽しそうだなぁ~と僕は思った。
「あっ・・・そうそうこれだ」
「ホレっお前に手紙だ・・・・」
「何か知らんけど、俺は読んではいけない手紙らしい・・・・」
「まっ興味ねェけどナ」
その手紙にはロージーさんへと女の子らしい字で書いてあった。
「ナナちゃんからだ!!」
でも他にも手紙の参加者はいっぱいいた。
けんじ、ヨイチさん、ビコさん-------------!!
手紙にはこうに書いてあった。
ロージーさんへ ナナ:ロージーさんがソファーに寝ているときはびっくりしたよ。きちんと休まなきゃ!!
がんばるのもいいけど体を大切にね。
けんじ:お前、重いんだよ~~・・・・。まぁ、がんばりすぎんなよ!!飯抜きってきついぜ!!
ヨイチ:事務所に行ったら一番楽しみにしているはずのロージーの姿がなくてびっくりしたぜ。
まぁ、がんばりすぎの疲労で寝てしまうのは、お前らしいかもなっ!!ほどほどにな!!
ビコ:ロージー君がいなくて寂しかったです。なんか盛り上がってもサブメインがいないとね。
全:ロージーがいないとムヒョの誕生日が成り立ちません!!
なので今度の土曜日にムヒョのパーティは延期です。でも食べ物は腐っちゃうからたべました。 こんどは全員でやりましょう!!ムヒョには内緒で------------!!
By ナナ、けんじ、ヨイチ、ビコ
---------------------------------------!!
うれしくて涙が止まらなかった。
ムヒョがヒヒっと笑った。
みんなが僕のことを気にしてくれた・・・・・・。
ふときづくと小さい手が頭をポンッとたたいていた。
「まっ、今度は面倒かけるなヨ!?」
「面倒かけたら、地獄行き決定!!」
「うん!!!」
僕は大きく頷いた。
良く寝たので気分がいい~~~。
でも良く寝たからではない-----------------------------。
みんなが心配してくれた。
僕を必要としてくれた!!
最高の一日となった。
そんなほんわか気分をぶち破ってムヒョが-------------------。
「おいっ飯早く!!」
「はいはい・・・ただいまっ!!」
僕はキッチンに向かう途中のカレンダーに目を留めた。
僕はおもむろに赤ペンをカレンダーの下にある机から取り出し、太いほうのキャップを外して、
土曜日に大きく花丸をつけた。
はみ出したり、にじんだりしたがお構いない・・・・・・・・。
ムヒョの誕生日パーティ!!
また新たな楽しいロージーの計画の時間が始まった。
今度はがんばりすぎずに-----------------------------------・・・・・・・・・。 PR |
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