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2025/05/21 21 : 02
CATEGORY : [小説]

 

「ムヒョは僕が守る――――――!!!!」

 

ガガガ――ドンドン ガゴン・・・・

 

ロージー~~~~~~~~~!!!

 

「魔法律第574条・・・・物体無断寄生および、執行妨害―――――の罪により、

 

 

魔王の鉄槌の刑に―――――   

 

 

処す!!
ゴ―――ォ―――ズシ 

 

 

 

「ロージー――――・・・・」

 

ここは魔法律協会総合病院・・・。

 

「くそっ、さっきまでピンピンしていたのに・・・よぉ」

 

と戦友の裁判官、ヨイチ。

 

「ロージー君!!」

 

さきほど病院に駆けつけてきた、ナナ。 

 

 

「なんて、無茶なんだ草野・・・」

 

共に戦ってくれたヨイチと同じ裁判官、今井。

 

「ロージー君は頑張ったよ・・・」

 

ビコも駆けつけてくれた・・・。

 

「ムヒョ、ロージー君はいい助手だった・・・」

 

ペイジのジジイも知らせを聞き病院に駆けつけた。

 

「モヤシ!!目ぇ開けろよ――――!!」

 

ナナといっしょにきたケンジが言う。

 

 

 

ベッドに横たわる、ピクリともしないロージーの姿があった。

 

 

顔には白い布がかけられている・・・。

 

 

敵はエンチューが差し向けたものだということが後日分かった。

 

 

 

 

ロージーのベッドを囲んでみんなが泣いたり、悔しがったり、肩を落としている。

 

 

 

 

俺は事務所に帰ってきた。

 

 

 

病院のロージーは夢で、もしかしたら事務所で待っているのではないかと思ったからだ。

 

ガチャ

 

「お帰りムヒョ!!」

 

そんな声が聞こえるような気がした。

 

「ロージー・・・??」

 

 

でも誰もいない・・・真っ暗だ。

 

俺は明かりをつけて周りを見る。

 

ロージーは死んでいない・・・死んでなんかいやしねェ・・・。

 

 

ふと、台所に目が行く。

 

「ムヒョ、今日のご飯何がいい??」

 

そんな声がするように思える。

 

 

事務所は何一つ変わっていない。

 

出て行ったままだ――――――。

ただ・・・・――――――――――――――。

  

 

アイツがいないことを除けば・・・・。

 

アイツが着ていたエプロン・・・・・。

アイツが食べていた茶碗・・・・・・。

アイツが読んでいた本・・・・・・。

アイツが世話していた植木鉢・・・・。

アイツが座っていた場所・・・・・。

アイツが―――――――・・・・。

ロージーのことばかり考えてしまう。

 

失ってはじめて気づくロージーの存在のデカさ・・・・。

 

「くそっ・・・・何でこんなことに・・・」

「なぜ・・・・アイツだけ・・・」

「俺は・・・俺は・・・・守ってもらうことだけしか出来なかった」

 

後悔ばかりが残る―――――――。

 「ロージー・・・・」

残された俺はこれからどうすればいいんダ。

他の助手なんて考えらんねェ――――――。

 

空を見上げると真ん丸い月の傍に小さい星が瞬いていた。

 「ロージー・・・」

記憶を辿れば、ロージーとの思い出ばかりだ・・・・。

 

泣いて・・・・・・。

叫んで・・・・・。

笑って・・・・・・。

驚いて・・・・・・・。

困って・・・・・・・。

飯作って・・・・・・。

買い物して・・・・・・・。

喧嘩して・・・・・。

仲直りして・・・・・。

また、笑って・・・・・。

また、泣いて・・・・。

 
この夜空に書き表せないほどたくさん在る―――――――。

 

「ムヒョ、死んだ人はお星様になるんだよ」

 世の中は変わらないのに、切なさ、悲しさ、悔しさが膨らんでくる。
 「なぁ、ロージー・・・・俺も逝かせてくれヨ・・・・」

「ダメだよ、ムヒョ」

「へ??」

 

振り向くと、白いモヤモヤしたものがいた。

まだ完全な霊体となっていないロージーであった。

「ロージー!?」

「ダメだよムヒョ・・・・死んじゃダメ・・・・」

「死んだら、僕が死んだ意味無いからね」

「・・・・・・・・・」

「ヘヘ・・・僕、ムヒョとの約束守ったでしょ??守るって約束!!」

「守っても、死んだら意味ねぇじゃねぇーカ!!」

「ごめんね・・・ムヒョ・・・・・」

「バカが・・・・誰が飯作るんだヨ!!」

「ムヒョ・・・・??泣いてる・・・」

「・・・・るせ――――――!!」

「泣かないでムヒョ・・・・僕がいるから・・・・・」

 

スッ―――――

 

「ロージー???」

 

「オィ!!ロージー――――――!!」

 

ロージーは消えた。

きっと浄土行きだ。

 

最後の挨拶をしにきたのだろう・・・・。

空を見上げると、月の傍で輝いていた星が消えていた。

 

――――――――無事に逝ったナ。

今度は俺が約束を守る番だ――――――。

 

「ムヒョ、僕のこと忘れないでね・・・約束だよ」

最期に交わした約束――――――。

 

忘れるわけが無い・・・・・。

最初で最期の最高の助手であった、ロージーのことを――――――。

 

もう、助手をつけることは無い。

―――――永遠に・・・・・。

 
もう、守ってくれて、人が死ぬのはもういやだ。

 

 

次の日、ロージーの葬式が終わり、火葬を行った。 

火葬を行う前、今でも起きて「ムヒョ」と呼びそうなロージーにチュと額にキスをして、見送った。

どこと無く、キスをした後、ロージーが微笑んだ気がした。

 
「ありがとナ・・・・・ロージー」

 

その日を境に、俺は執行人をやめた。
みんなからは猛反対されたが、ロージーと約束したときから、もう心に決めていた。

もう苦しいのはいやだ。

人が死ぬのはたくさんだ。

 
これから、ロージーの死を償うだけ、それだけのために生きていく。

これからは、ロージーを忘れないで生きていく。

―――――――――永遠に・・・

 「なぁ・・・・ロージー・・・・これでいいんだよナ・・・・・・」

 

+**‘+’#“**あとがき**‘‘#“++:**

 

おつかれさまでした・・・・。

リアル!!リアル!!なんかほんとにこれで良いのかって感じですが、芥川賞並みに・・・

ほんとはムヒョ、出家かっ!!って感じだったんですけど、シナイしないよ・・・・。

死ネタでした。これは大塚愛のプラネタリウムを聞きながら書き上げました。

ロージーファンの皆さんスイマセン!!ちなみに、魔法律の条と刑はデタラメです。

(オイオイ・・・・) 

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2007/06/07 23 : 07
こめんと [ 0 ]とらっくばっく [ ]
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